2008年7月22日火曜日

Sr-89について

Sr-89は、物理学的半減期50.5日の純β線放出核種で、同族体のカルシウム(Ca)と類似した体内動態を示し、Ca代謝が亢進した骨転移腫瘍に選択的に集積する特徴を有している。Sr-89は、集積した骨組織でβ線を放出し、腫瘍細胞や造骨細胞、破骨細胞に対する直接的な放射毒性効果を発揮することなどにより、疼痛緩和効果をもたらす。 
また、Sr-89は、透過性の高いγ線を放射しないため、治療を受ける患者も不必要な放射線暴露を受けず、医療スタッフや家族など周囲の人にも影響を及ぼさない。なお、治療に使用される放射性医薬品では、投与患者の退出基準が定められている。
具体的に厚生省(当時)の通知「放射性医薬品を投与された患者の退出について」(平成10年6月30日 医薬安発第70号)では、Sr-89の退出・帰宅基準が200MBq(1回あたり)とされているが、今回承認されたメタストロン注の用法・用量は、最大投与量が141MBqなので、外来治療も可能である。 
メタストロン注は、欧米では放射線内用療法剤として、前立腺癌や乳癌などの骨転移による疼痛緩和に広く用いられている。
現在、世界42カ国で承認・使用されており、侵襲性が少ないこと、骨転移腫瘍患者の疼痛緩和に有用性が高いことなどが高く評価されている。

半減期が50日なので、150日で放射線の力は1/2×1/2×1/2=1/8となる。
即ち、約5ヶ月で放射線の力が13%程度に落ちる。

効果は3ヶ月から5ヶ月というところであろうか?
できるだけ長く持続してもらいたいところである。

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