2009年2月15日日曜日

がん治療、最新の放射線療法は?

骨以外にもあちらこちらに転移していて、メタストロンだけに頼っていられない。特に両肺に転移している癌をなんとかしたい。なんてたって呼吸できないと困るからね。抗がん剤もほとんど効かなくなってきているし。
なにかよい放射線治療ないかな?
次の手を考えるために、現在の放射線療法を整理してみた。

結構いろいろあって、肺転移部には、5の「トモセラピー」がよいのかしら?
多発性肺がんに対しても有効な手法のようだから、私の乳がん肺転移にも効かないかな~...

1.粒子線治療
 近年、サイクロトロン(円形加速器)やシンクロトロン(同期加速器)などの加速器を使って、陽子や炭素の原子核を加速し、がんに集中して照射する治療法が確立されている。粒子のなかでも陽子を使う粒子線治療を陽子線治療と言い、炭素の原子核を使う治療を重粒子線治療と言う。 この粒子線治療の特徴は粒子が運動を停止する直前に最大のエネルギーを放出するという性質(ブラッグピーク)を利用し、がん病巣内部で粒子が最大のエネルギーを放出するようコントロールされているということで、従来の放射線治療では困難であった膵臓などのがん治療にも成果をあげているようだ。 特に重粒子線治療では、X線やガンマ線で殺せないタイプのがん細胞も殺すことができる。しかし胃や腸のように不規則に動く臓器や、白血病のように全身に広がっているがん、広く転移したがんには適応できず、効果は固形腫瘍に限定されるとのこと。

2.ガンマナイフ
 この治療装置は、ヘルメット型の固定具を患者の頭部にかぶせ、そのヘルメット型の固定具から、コバルト60という放射線が、がん細胞の1点に集中して放射されるというもので、脳腫瘍の治療に使用され、ナイフで切り取ったようなシャープな効果が得られることから、このように呼ばれる。30年ほど前から始まり、脳腫瘍には治療実績もある。ただし、患者の頭部は動かないよう金属でしっかりと固定される必要がある。

3.サイバーナイフ
 ガンマナイフをさらに進化させた治療器がサイバーナイフと呼ばれるもの。この治療法では自由な位置と角度から弱いX線を患部の1点にコンピュータ制御のロボットにより集中して照射する。2台のX線透視用カメラが患者の動きをモニターし、患者のセットアップ時のずれや治療中の微妙な動きを自動的に検出し、ビームを補正する。 この装置では病巣位置の確認のため、メッシュ状のマスクをつけるが、ガンマナイフと異なり、頭部を金属で固定する必要がない。 日本ではまだ首から上の脳腫瘍や耳鼻科、口腔外科の腫瘍などに限定されるが、この方式でアメリカなどでは肺がんや膵臓がんへの治療も行われ、正常細胞へのダメージが少ないことから今後の発展が期待される。

4.Xナイフ・アキュナイフ(リニアックナイフ)
 従来から使用されてきたリニアックまたはライナックと呼ばれる直線加速放射線治療器にXナイフと呼ばれるシステムを組み込むことで、病巣部に多方向から正確に1mm~2mmという誤差で集中照射が可能となった。またアキュナイフを組み込むことで病巣の形に合わせた不整形照射も可能となった。 ガンマナイフと違って多数回照射(分割照射)ができるので、病変部位周辺の正常細胞への影響を低く抑えることができる。またガンマナイフより大きな病巣も治療できるとのこと。治療成績はガンマナイフと同程度と云われ、主に頭頸部がんに使用され、前立腺がんなど体幹部のがんにも照射が検討されている。全国の基幹病院で採用されている。

5.トモセラピー
 次世代放射線治療装置トモセラピー(TomoTherapy)も世界的に注目されている治療器である。このメカニズムは放射線照射装置にヘリカルCTの原理を応用し、放射線ビームをらせん状に回転させながら患部のみ正確に照射することを可能にしたもの。この装置はピンポイント照射が可能なだけでなく、複雑な病巣や、一度に複数の腫瘍に対応できるというメリットがある。 従来は難しいとされていた前立腺がんや多発性肺がんなどの放射線治療も可能となり、集中照射から広範囲な照射まで可能なため、サイバーナイフやXナイフより多くのがんに対応できます。

6.ノバリス
 ノバリスと呼ばれる強度変調放射線治療器も登場している。これもいろいろな方向から立体照射ができますが、照射する面の病巣の形状に合わせてビームの形、密度を瞬時に変化させることができるという画期的なもの。さらに動体追跡装置も組み込まれており、がん病巣への正確な照射が可能である。 照射位置決定が高速で処理され、患部に高エネルギーを集中できるため、治療時間が20分~30分と短く、外来でも治療が可能というメリットがある。リニアックを用いたXナイフが主に頭頸部腫瘍対象であるのに対し、それ以外にも肝臓がん、肺がん、脊椎がん、前立腺がん等全身のがん治療が可能。 効果は手術と同等かそれ以上と云われているが、ピンポイント照射を得意としているだけに、広範な遠隔転移や腫瘍の形がはっきりしない型のものには使えない。

7.フォーカルユニット
 放射線治療装置(ライナック)とCTを一体化させた装置です。放射線治療の前にCTで照射する部位を確認し、照射するため、高精度の治療が可能。放射線の位置を縦・横・高さの三次元で変化させられるので三次元フォーカルユニットとも呼ばれている。 この装置は日本で開発されたもので、この機器を設計した植松 稔氏によると、平面方向すなわち二次元で変化させる照射よりも正常細胞への影響が少なく、より効果が大きいとのこと。

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