2009年4月10日金曜日

4月10日日経朝刊の記事:技術ウォッチ・乳がん検査 服を着たまま。島津製作所、痛みも軽減?!

乳がん患者にとっては、またまたすごい技術が開発されたようです。ほんとかしら?
記事の内容は以下のとおり。

日本人女性の患者が増えている乳がん。早期に発見すれば患者が命を落とす可能性も大きく減るため、女性に検査の受診を促すことが急務だ。そのため、課題となっていた検査への精神的負担を軽くするための機器の開発・改良が進んでいる。 「検査の時に痛みはなく、裸になる必要もない」―。島津製作所の清水公治・次世代医療事業推進グループ部長は、新しい乳がん検査装置について説明する。 同社は放射線医学総合研究所などと協力して、全身のがん検診に使う陽電子放射断層撮影装置(PET)を改良している。PETの基幹部品の検出器について部品や設計を見直し、従来よりコガタで、かつ高官どのものを開発。これを埋め込んだ新検査装置はオートバイのような乗り物を思わせ、前傾で座って目の前にあるくぼみに胸を当てるだけで検査を受けられる。 がん細胞だけに集まる薬剤の投与を受けるものの、検査にかかる時間は1時間ほど。上半身に下着を着けたままでよく、胸に無理な力を加える必要もない。精神的な苦痛は大幅に減るはずだ。がん細胞を発見する能力も従来の装置と同等以上といい、今秋には京都大学の医学部付属病院で臨床研究に乗り出す。 現在の乳がん検査は、エックス線を使ってがん細胞の有無を調べる「マンモグラフィー」という装置が主流。小さながん細胞も見つけやすく早期発見につながるものの、上半身裸になり装置にある2枚の板で乳房を上下から挟む。それほど切迫感を持っていない人は二の足を踏みがちだ。 日本での乳がん検査の受診率は1割台。欧米の7割以上に比べて低いのは検査費用への公的支援が少なく、認知度向上も途上なことのほかに、この精神的な面も原因の1つとされる。乳がんは早期発見が対策として最も効果があるだけに、敷居を下げれば受診率向上の効果も期待できる。 マンモグラフィーについても、改良研究が進んでいる。高いシェアを持つGEヘルスケアはエックス線を当てる方法を工夫。受診時の検査回数が従来の半分で済む装置を開発中だ。 東芝メディカルシステムズも、開発陣に女性研究者を積極的に登用して女性の視点を重視。乳房を挟む板に弾力を持たせ、痛みが少ない装置を製品化した。これまでの乳がん検査ではあまり使われていない超音波検査や磁気共鳴画像装置(MRI)の技術も取り入れ、負担を少なくすることにも取り組んでいる。 国内の乳がん患者は、毎年4万人のペースで増えている。検査装置の市場規模は海外を含めて1500億円程度とされるが、検査装置の普及で検診率が向上すれば、5年後には2000億円以上になるとの試算もある。今後も抵抗感を減らすための競争が進みそうだ。

▽乳がん検査 乳房で母乳をつくる乳腺細胞にできたがんの有無を調べる検査。がん細胞に特有の性質を手掛かりに見つけ出す。がん細胞が乳腺の外にまで広がっていない状態で発見できれば治療によって回復する確率が高い。日本人は欧米人に比べて30歳代など若い年齢層に患者が増えているのが特徴で、早期発見が重要になっている。

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